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PMSと更年期の関係
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月経がある間はPMS、そろそろ閉経を迎える時期からは更年期の不調(更年期症状)……と、女性特有の症状を連続的に経験する人も多いようです。PMSと更年期症状、どちらも女性ホルモンとの関係が深いだけに、PMSを経験した人は、更年期症状も出やすいのでしょうか?これら女性特有の症状をやわらげる作用が期待できる、エクオールのこともあわせてご紹介します。
PMS経験者は閉経後のメンタルに影響
閉経後の女性120人を対象に、PMSの経験と現在の健康状態との関連を分析した調査によると、89%(107人)がPMSの経験者で、仕事や日常生活に支障が出るほど重症だったと答えたのは、53%(64人)でした。
PMSの経験の有無と更年期症状として知られるほてり(ホットフラッシュ)の重症度には関連はみられませんでしたが、PMS経験者では、記憶力や集中力の低下、憂うつ、睡眠の問題、意欲の減退といった、脳機能やメンタル面での不調が出やすいという結果が出ました。(※1)
エクオール非産生者はPMSと更年期の不調が出やすい
エクオールとは、大豆イソフラボンの1つであるダイゼインという成分から、腸内細菌「エクオール産生菌」の作用によってつくられる成分のことです。近年の研究から、エクオールはPMSの諸症状を緩和する作用が期待できることが分かってきました。「女性ホルモンをサポートする「エクオール」」で紹介した、PMSの諸症状とエクオールが体内でつくれるエクオール産生者かどうかの関係を調査する際、対象者である女子学生の母親にもPMSの経験や更年期症状について調査し、エクオール産生者かどうかとの関連についても検討しています。この調査では、月経不順あるいは半年以上月経がない、更年期と想定されるエクオール産生者17人と非産生者45人を比較。その結果、エクオールが体内で作れないエクオール非産生者では、更年期症状のうち、疲労感とめまいの症状が出る人が多いことが分かりました。さらにPMSの症状が強かった人は、更年期症状も強いという関連もありました。
非産生者は更年期の「疲労感」「めまい」が出やすい
(2015年11月、第30回日本女性医学学会学術集会にて大塚製薬佐賀栄養製品研究所が発表)
エクオールは更年期症状を軽くする
なお、エクオール非産生者が、エクオールそのものを摂取したときの効果を検証するいくつかの試験も行われています。これまでに、更年期症状の改善以外にも、肩こりの症状の軽減、骨密度低下の予防、悪玉とされるLDL-コレステロール値の低減、動脈硬化や糖尿病のリスクの指標となる検査値が改善、といった結果が出ています。
エクオールで更年期症状が軽くなる
(J Womens Health(Larchmt); 21(1): 92-100, 2012)
この試験では、1日1回以上ほてり(ホットフラッシュ)の症状がある閉経後の女性でエクオール非産生者126人を2群に分け、一方にはエクオール10㎎を、もう一方にはエクオールと見分けがつかない偽成分(プラセボ)を12週間毎日摂取させました。エクオール摂取群のほてりの症状がやわらいでいるのが分かります。
また、エクオールを摂取することで、肌のしわが改善するといううれしい報告もあります。閉経後の女性でエクオール非産生者101人を、エクオール10㎎、エクオールと見分けがつかない偽成分(プラセボ)摂取群に分け、秋から冬にかけての乾燥する時期に12週間毎日摂取させたところ、エクオール摂取群でシワの面積の増加が抑えられました。
エクオールで肌のしわが改善
(Menopause; 19(2): 202-10, 2012)
PMSと更年期症状には切り離せない関係があり、またエクオールは両者の解決のカギを握る注目の成分、と言えそうです。
※1:Menopause; 21(12): 1287-91, 2014
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