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女性ホルモンとPMS
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女性ホルモンは月経のある期間はずっと、そして閉経を迎える更年期にも、女性の心と体にさまざまな影響を及ぼすとても大切なホルモンであり、単に生殖に関わっているだけではなく、女性の身体の様々な臓器に働きかけ多くの役割を演じています。
そんな女性ホルモンとPMSや更年期症状の関係について、理解を深めましょう。
女性のライフステージと女性ホルモンの関係
女性の心と身体は、女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響によって大きく変化します。このうちエストロゲンの分泌レベルは、ライフステージごとの女性の身体の状態を左右する、重要なカギを握ってしまいます。
思春期になるとエストロゲンの分泌が急激に増加し、初経を迎えます。初経を迎えて2~3年は月経周期が安定しませんが、エストロゲン分泌は20代でピークになり、妊娠や出産に適した「性成熟期」になります。PMSが起りやすいのもこの時期で、月経周期をつくる女性ホルモン分泌の変動が影響します。その後、更年期になるとエストロゲンの分泌が急激に減少し、閉経を迎えます。
エストロゲンは生殖機能以外に、心血管系、脂質代謝、骨や皮膚の代謝、脳機能、自律神経系などにも関わっていて、女性の身体をすこやかに保つ「守護神」とも呼ばれます。このエストロゲンの恩恵を受けにくくなる更年期以降をどう過ごすかが、長寿国となった日本における、女性の新たな課題とも言えるでしょう。
閉経前後のつらい症状は更年期症状かも
閉経前後の更年期に起こる、エストロゲンレベルの低下に関連する不快な症状が更年期症状です。更年期症状にはほてりやのぼせ、イライラ、疲労感、めまいや耳鳴りなどがあります。PMSの症状と似ているところもありますが、月経前以外の期間も症状が続くようなら更年期症状かもしれません。
エストロゲンレベルが高い時期に起きるPMSと、エストロゲンレベルの低下を原因とする更年期症状では、治療法も違ってきます。40代ともなれば、どちらだろう?と迷うこともあるでしょう。気になるようなら婦人科を受診し、適切な治療を受けてください。
監修 小川真里子特任教授
福島県立医科大学
ふくしま子ども・女性医療支援センター
福島県立医科大学医学部卒業。慶應義塾大学産婦人科を経て、2007年に東京歯科大学市川総合病院産婦人科助教、2011年同講師、2016年同准教授。2024年4月より現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本心身医学会心身医療専門医、日本女性心身医学会認定医などの資格を持ち、PMSや更年期などの診療にあたる。
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