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基礎体温の変化を知ろう
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基礎体温は、女性の健康状態を知るうえで重要な情報をもたらします。「基礎体温は妊娠したい人が測るもの」というイメージをもつ人も多いでしょうが、目的はそれだけではありません。ここでは、全ての女性が知っておくべき基礎体温の特徴や測り方についてご紹介します。
基礎体温は起床時、安静にして測る
基礎体温とは、安静状態にあるときの体温で、女性ホルモンのバランスが反映されるものです。測り方は、朝起きぬけに横になったままの状態で、できるだけ細かな体温の変動が分かる婦人体温計を舌の下に挿入し、安静にして測ります。基礎体温を測るタイミングや姿勢は、正確なデータをとるための、重要なポイントとなります。
低温相と高温相の2相に分かれる
ホルモンバランスが整っていれば、基礎体温は次のような特徴を示します。
(1)グラフにすると低温相と高温相の2相に分かれ、低温相と高温相の体温差は0.3℃以上のことが多いです。
(2)高温相は多くの場合、11~16日です。
女性ホルモンの1つ、プロゲステロンには基礎体温を高くする作用があるため、プロゲステロンの分泌量が少ない卵胞期は低め(低温相)、分泌量が多い黄体期は高め(高温相)です。
基礎体温が通常とは異なるとき
低温相と高温相の2相に分かれない場合、排卵が起きていない「無排卵周期」になっている可能性があります。無排卵のまま月経を迎える無排卵月経では、出血量が少なかったり、出血が長期間続いたり、月経周期が不規則になったりします。
低温期が長く続く場合は、多嚢胞卵巣症候群などによる排卵障害の可能性があります。
高温相が短かければ卵巣の機能低下によるプロゲステロン不足、「黄体機能不全」が疑われます。黄体機能不全になると、子宮内膜が完全に形成されず、受精卵が着床しにくくなったり、流産しやすくなったりします。
一方、次の月経予定日になってもずっと高温相が続いている場合は、妊娠の可能性があります。
基礎体温は健康状態のバロメータ
(生殖医療ガイドブック2010; 日本生殖医学会: 125-127, 2010)
基礎体温を測っていれば、月経に関連する異常も妊娠も、早めに気づくことができるはず。自分の健康状態を把握するために、さっそく基礎体温をつけてみましょう。
監修 小川真里子特任教授
福島県立医科大学
ふくしま子ども・女性医療支援センター
福島県立医科大学医学部卒業。慶應義塾大学産婦人科を経て、2007年に東京歯科大学市川総合病院産婦人科助教、2011年同講師、2016年同准教授。2024年4月より現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本心身医学会心身医療専門医、日本女性心身医学会認定医などの資格を持ち、PMSや更年期などの診療にあたる。
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