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仕事への影響
公開日:2021年5月28日
更新日:
PMSによる身体症状や精神症状は、仕事にもさまざまな影響を与えています。現れる症状やタイミングが一定していないこともあり、毎月のことと分かっていても、なかなか対処しきれないものです。PMSが及ぼす仕事への影響についての調査結果をご紹介します。
PMSによる仕事への影響
「PMSの症状による仕事への支障」について4つの項目で質問をしました。仕事のパフォーマンスに関わる項目は、どれも「よくある」「ときどきある」の合計が3割を占めていました。
PMSは働く女性に対して、大きな影響を与えているようです。
Q.PMSの症状による仕事への支障は?
対象:全国の女性1000人が対象で、PMSの症状を自覚した739人(30-44歳)
出典:2021年6~7月 大塚製薬調べ(インターネット調査)
PMSのせいで労働力減退
「あなたはPMSがつらくて仕事を休むことがありますか?」という問いには、PMSが原因で仕事を辞めたことがある、辞めようと悩んだことがある女性は過半数を占めていました。
症状は人によってさまざまで、軽症の人もいれば、PMSが重症化したPMDDの人もいます。症状がつらくて会社を休むしかなくても、他人にはなかなか理解してもらえず、また、休むことで自分を責めてしまい、結果的に会社を辞めてしまう人もいるようです。
Q.あなたは、PMSがつらくて、仕事を辞めたことや、辞めようと思ったことがありますか。
PMSの症状による退職
対象:正規雇用の会社員で管理職に登用される機会があった/PMS自覚あり&症状が重い285人(20-44歳)
出典:2021年9月 大塚製薬調べ(インターネット調査)
責任のある仕事に就きたくてもできない
「あなたはPMSがつらくて、管理職や責任のある立場を辞退したことがある、または辞退しようと思ったことがありますか?」と質問したところ、「昇進を辞退するか悩んだことがある」「昇進を辞退したことがある」の合計は半数を超えていました。
PMSによる身体的・精神的症状は、女性が社会で活躍するうえで、妨げの1つになっているようです。
PMSの症状による昇進への影響
対象:正規雇用の会社員で管理職に登用される機会があった/PMS自覚あり&症状が重い285人(20-44歳)
出典:2021年9月 大塚製薬調べ(インターネット調査)
多くの女性がPMSは仕事に影響を与えていると感じています。なかには、PMSによる身体的・精神的症状によって仕事がうまくいかず、自分を責めることで、さらに症状を悪化させてしまう人もいます。また、せっかく訪れた管理職や責任のある立場に就けるチャンスを逃してしまう可能性もあるようです。
PMSは、月経のある女性なら誰でも経験する可能性があり、仕事への影響を感じている女性はたくさんいます。自分を責める前に、どのような症状が、いつから出やすくなるのかを把握し、体調や気持ちを落ち着かせることで、仕事への影響を回避していくようにしましょう。
監修 小川真里子特任教授
福島県立医科大学
ふくしま子ども・女性医療支援センター
福島県立医科大学医学部卒業。慶應義塾大学産婦人科を経て、2007年に東京歯科大学市川総合病院産婦人科助教、2011年同講師、2016年同准教授。2024年4月より現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本心身医学会心身医療専門医、日本女性心身医学会認定医などの資格を持ち、PMSや更年期などの診療にあたる。
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