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ミネラルの王様「カルシウム」 | PMSラボは月経前の心や身体の不調「月経前症候群」に関する情報サイトです。

ミネラルの王様「カルシウム」

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カルシウムは骨の健康維持に欠かせないミネラルですが、PMSの症状を改善する作用も期待できます。ここでは、PMSとカルシウムの関係について紹介します。

PMS症状に対するカルシウムの効果

PMSの症状がある179人(平均21.4歳)をランダムに2つに分け、一方には1日に1000ミリグラムのカルシウムを、もう一方にはプラセボ(偽成分)を3カ月間摂ってもらったところ、カルシウムを摂取した群では、疲れやすさ、食欲の変化、気分の落ち込みという、3つの症状に改善がみられました。(※1)
また「ビタミン、ミネラル、ハーブの有効性について」で紹介しているカルシウムの有効性について調べた2つの試験では、カルシウムを1日に1200ミリグラム、3カ月間摂取したら、否定的な感情やむくみ、食への渇望、痛みに改善がみられたという結果が出ています。(※2)(※3)

この2試験を含む、2019年1月までに発表されたPMSの症状とカルシウムの関連について検討した14試験、合計2645人分のデータを分析した研究報告では、「PMSの有症者は血中のカルシウム濃度が低い」「カルシウムの補給はPMSの症状の発症率を大幅に下げる可能性がある」と結論づけています。(※4)

カルシウムの必要量と摂取源

成人女性が1日にとるべきカルシウムの量は650ミリグラムです。(※5)しかし、どの年代でもカルシウムは不足しがちで、たとえば20代の女性は1日に408ミリグラムしかとっていません。(※6)
カルシウムは乳製品や野菜、豆類、穀物、小魚といった多くの食材に含まれますが、乳製品以外の食品では、一度にたくさんのカルシウムをとるのが難しいからです。実際、カルシウム摂取源は乳製品が圧倒的に多く第1位ではありますが、継続的に摂取する習慣がなければ、カルシウム不足が心配です。

カルシウムの推奨量と摂取量

(日本人の食事摂取基準2020年版、令和元年国民健康・栄養調査)

カルシウムの3割は乳製品からとっている

(令和元年国民健康・栄養調査)

カルシウムをしっかりとるために意識してとりたいおもな食材は以下のとおりです。

  • 牛乳(コップ1杯、200グラム)/220ミリグラム
  • まいわし(丸干し3尾、45グラム)/198ミリグラム
  • 小松菜(2~3株、80グラム)/136ミリグラム
  • ヨーグルト(無糖、食べきりサイズ、100グラム)/120ミリグラム
  • 木綿豆腐(3分の1丁、100グラム)/86ミリグラム
  • ひじき(煮物1人分、7.5グラム)/75ミリグラム
  • 納豆(1パック、45グラム)/41ミリグラム

(日本食品標準成分表2020年版)

しかし、PMSの症状の改善作用をみる試験で効果があった1日1000ミリグラム、1200ミリグラムのカルシウムを食事だけから摂取するのは難しそうです。PMS対策として有効なレベルのカルシウムを摂るには、サプリメントの力も借りるとよいでしょう。

骨粗しょう症の予防にも、若いうちからカルシウムを

骨がスカスカになり、ちょっとしたことで骨折してしまう骨粗しょう症の予防のためにも、カルシウムは若いうちにしっかり摂っておくことが大切です。40歳以上の日本人女性のうち、実に26.5%は骨粗しょう症の有症者。(※7)中高年以降の健康状態を揺るがす大問題です。
中高年になると女性ホルモンが減る影響で骨からカルシウムが失われがちになりますが、そうなってからカルシウムを積極的に摂るようにしても、骨粗しょう症や骨折の予防効果は期待できないということが、複数の研究結果をまとめて解析した結論として示されています。(※8)
骨に含まれるカルシウム量の目安であり、骨の丈夫さの指標となる「骨量」は、20~30代がピークで、以降は加齢とともに減っていきます。この骨量のピークをいかに高くしておくかによって、将来の骨粗しょう症のリスクが変わるのです。
もっとも、カルシウムには生活習慣病や大腸がんの予防効果も期待できるので、中高年以降も積極的に摂ることがすすめられます。

骨量は20~30代をピークに減る

(Osteoporos Int; 26(12): 2723-2742, 2015)

※1 Taiwan J Obstet Gynecol; 48(2): 124-129, 2009
※2 Am J Obstet Gynecol; 179(2): 444-452, 1998
※3 J Gen Intern Med; 4(3): 183-189, 1989
※4 Int J Prev Med; 11: 156, 2020
※5 日本人の食事摂取基準2020年版
※6 令和元年国民健康・栄養調査
※7 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版; 骨粗鬆症予防と治療ガイドライン作成委員会: 4, 2015
※8 BMJ; 351: h4183, 2015

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